マンションのリノベーションをお考えの方は、リノベーションにどのようなイメージを持っていますか?なんとなく、木造の一戸建てに比べたら自由度がなさそうなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
こだわりの住まいができ、新築や戸建て住宅に比べて費用も抑えられるとしたらどうでしょうか?ただ抑えるポイントと言うのがあるので、そのポイントを順に説明していきます。
中古マンションをリノベーションするメリット
中古マンションをリノベーションするメリットは、なんといっても一番は「自分たちの理想の部屋が作れる」という事です。今の新築住宅ではなかなか難しい「完全自由設計」というお部屋が、比較的新築住宅に比べて中古マンションのリノベーションでは作れるという点が最大の魅力ではないでしょうか。
また近年の夏の暑さや冬の寒さ対策もきっちりと事前に考えやすいのがリノベーションのメリットです。その理由としてリノベーションでは、今ある物を一旦解体しコンクリートの外壁のみにしますので断熱材を施工しやすいという点があります。
ほとんどのマンションは、ある程度の断熱材が施工されていますが築年数の古い物件などは断熱材の厚さが薄い場合があります。その為もう一度断熱材を施工してあげる事で暑さや寒さ対策、そしてマンションでよく起こる結露対策もリノベーションでは、しっかりとできるという点があります
中古マンションは、新築に比べ比較的「理想のエリア」で住める。と言う点もあります。これはマンションを建てる時の建築条件や環境状況などが関係してきているのですが、駅近や幹線道路沿いなどに交通の便利が良い場所や理想としている地域に絞って探すことが、比較的中古マンションでは見つけやすいです。新築住宅では、近年土地の減少なども伴い高台や駅から離れている場所など、ピンポイントのエリアでしか見つからない。という事が多々あります
周辺環境を事前にチェックできるという点もあります。すでにマンションは建っている為、事前にそのマンションの周りはどんな雰囲気か?交通量はどれくらいあるのか?など把握できるのもメリットの一つです。新築住宅でももちろん周辺環境チェックはできますが、中古マンションは既に建っているという点で有利です。
中古マンションをリノベーションするデメリット
中古マンションをリノベーションするとメリットばかりではなく、デメリットもあります。中古マンションは建てられてからそれなりの築年数が建っています。その為所々に経年劣化がみられる場合があります。定期的にメンテナンスをして行くためには、修繕積立費が必要になります。築年数の古い物件や住民が少ない物件は、この修繕積立費が高くなる場合がよくあります。
メリットでもあげました「完全自由」というのがリノベーションでのデメリットにもなります。一つ一つの物を決めていくために住むまでに時間が掛かってしまうという点です。
新築住宅の様に決められてものの中から選ぶという選択肢でないが為に起こってしまうのがリノベーションです。通常間取りなどの作成に1か月から2か月、工事開始から完成まで3か月から4か月という流れになってくるために、実際に住めるようになるまでおおよそ半年ほどという時間が必要です。
思わぬことが起こることもあると言う点もあります。中古マンションのリノベーションは、解体して初めてすべてが見えてきます。その際に外壁や天井・梁に損傷があったなどという問題が出てきたりします。通常こういった場合は、管理組合さんと協議してからどちらが負担するのか?やどういった工法で直すのか?などを決めてから工事を進める段取りになります。
リノベーションに向いている構造とは??
マンションの構造には、「ラーメン構造」と「壁式構造」に分かれます。比較的低層や5階建て以下の場合は、壁式構造で作られている場合が多いです。一方それ以上の建物の場合は、ラーメン構造で作られています。では壁式構造とラーメン構造の特徴とリノベーションに向いている構造はどちらなのかを見ていきたいと思います
ラーメン構造について
ラーメン構造は、柱と梁で構成されている構造です。柱と梁で構成されているこの「ラーメン構造」の場合、部屋の四隅に柱と梁が配置されています。その為柱と梁以外の部屋を間仕切っている壁などは、構造上重要な壁ではない為、取り払う事ができるので間取り変更などがしやすい構造です。但し柱や梁といった構造上重要な部材は、比較的大きなサイズの為室内に見えてくる事が多々あります。
壁式構造について
一方「壁式構造」は、壁と梁によって構成されている構造です。部屋と部屋を間仕切りしている壁にも構造上重要な壁が配置されている為、この壁を取る事はできません。その為間取り変更に制約が出てきてしまいます。
また梁のサイズが、ラーメン構造より多き場合がほとんどですので、部屋の高さに大きく影響します。マンション構造の違いから見ると、ラーメン構造の方がリノベーションしやすいと言えます。マンション購入+リノベーションをお考えの方は、ラーメン構造のマンションを選ぶと、リノベーションの自由度が増す場合が多いです。
今住んでいるマンションが壁式構造だったり、強度や壁式構造のマンションを選ばれたりする方も、諦める必要はありません。全部が全部取り払えない壁とは限りませんし、取れない壁を基準としつつ理想の間取りを叶える工夫をしていくのも楽しいはずです。
マンションの構造をきちんと把握しておくこともリノベーションを成功させるためには、重要になってきますので、必ず確認することを忘れないでください。
工事ができる部分と出来ない部分!専有部と共有部
マンションをリノベーションする場合はどこまで自分でいじっていいのかを把握しなくてはなりません。戸建を違ってマンションは自分で手を加えてよい専有部分と手を加えてはいけない共有部分があります。マンションごとに細則がある場合もありますが基本的には下のようにわかれています。
リノベーションができる範囲は、所有上の専有部分ということになります。所有上の共有部分には手を加えることができません。エントランスなどみんなで使う場所や構造上の柱や梁はもちろんですが、玄関や窓、バルコニーも建物全体のデザインを崩しかねないため自分で好きにすることはできません。
但しバルコニーには簡易な物を設置できる場合があります。例えば簡単に取り外せる事が出来るウッドデッキなどです。また窓は年数が経っているマンションだと内側もアルミのサッシなためどうしても古く見えてしまいますが勝手に変えることもできません。
その場合部屋の内側に二重サッシという物を設置することで解決できる場合もあります。また二重サッシは部屋の断熱性も上がりますし内側からも綺麗に見えさらに窓を交換するより費用が抑えられます。
水回りの移動はできるのか??
マンションは各住戸の中に給水する場所、住戸の外に排水する場所は決まっています。(配管は間取り図のPS(パイプスペース)を通っています)。その水廻りの場所を変更することは可能なのでしょうか?
マンションの排水方法には、上記の3パターンがあります。下の階の天井裏を通ってる場合と床下を通ってる場合、そして床下に大きな空間がありその部分を通っている場合があります。
いずれも基本的には、水回りの移動は可能ですが極力大きな移動をすることはしない事をおすすめします。その理由として、住戸の排水する場所は決まっているので、大きく移動すると排水管の長さが長くなり、また勾配も急になるため詰りや水漏れの原因になりかねません。ですので移動する場合は最小限に移動する事をお勧めします。
中古マンションのリノベーションに掛かる工事費
中古マンションのリノベーションに掛かる工事は、おおよそ500万円から1000万円ぐらいが必要です。1平米あたり10万円から15万円という所です。これはあくまでも実際の工事にかかる費用です。リノベーションをするには、工事の元なる「設計図」が必要になります。設計図がなければ工事は出来ませんので注意してください。
設計費用は一般的に100万円から200万円ぐらい必要ですが、なかには工事と設計を一括でリノベーションする所もあります。そういった所の場合、お見積りでは設計料を安く設定し工事費に上乗せしている場合がほとんどです。いっけん設計料が安く見えますが、工事費に上乗せしているために本来の工事費より高くなっている場合がほとんどです。
レトロと暮らす 明石市Nさん邸 工事費・設計料込890万円
Modern Times 神戸市垂水区Oさん邸 工事費・設計料込750万円
リノベーションを失敗するポイント
リノベーションを失敗しやすいポイントは、いくつかあります。代表的な失敗しやすいポイントとして
あれもこれも取り入れすぎる
予算計画をあいまいに立てる
設計と工事管理をきちんとわけない
物件探しもリノベーションも一括で同じところにお願いする
中古マンションをリノベーションするという選択
中古マンションをリノベーションするという選択肢は、新築一辺倒だった住宅に変化が生まれました。しかしその反面中古住宅市場も高騰かしてきています。またリノベーションは、資格がなくても出来るという職業の為経験や知識のないリノベーション業者も増えています。リノベーションもいちから部屋を作っていくという過程は、新築となんら変わりありません。
よく言われる「リノベーションしたから資産価値が上がる」という事はありません。その部屋は、そこに住む人様に作られたものですから他の人にとっては、使いにくいかもしれませんし尚且つ築年数が経てば経つほど資産価値は下がってくのが本来です。
大切なのは、そこでどんな風に住みたいのか?やどんな暮らしをしたいのか?であってその延長上がリノベーションという選択肢ではないでしょうか。リノベーションも安易にできるものではなく、メリットデメリットをしっかり押さえて貴方の「コダワリ」を形にした住まいを作ってみてはいかがでしょうか?
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